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総合ニュース
2018/10/26
フォービル、FRP製組合せ型枠 「ガッチ」の本格需要拡大へ
型枠工事業者の㈱フォービル(森本隆之会長)は、大幅な工期短縮とコスト削減を可能にした画期的な世界初のブロック式型枠「ガッチ」の本格普及に乗り出した。
同社では昨年4月に大阪・都島の太閤園で実物による大がかりな「ガッチ」の展示会を開き、型枠会社や建設会社など多くの業者に披露し、その優秀性をアピールした。こうした実績から、今年2月にその成果が評価され、国土交通省のNETIS(新技術情報提供システム)に登録された。「ガッチ」は画期的な技術水準に加え、技術者不足の解消にも大きく貢献できることもあって需要拡大に向け、積極的な取り組みを開始したわけだ。
展示会場では「ガッチ」の開発に取り組んできた森本会長が自ら開発の経緯や現場使用の効果、従来工法との比較などについてスライドを使って分かりやすく説明した。そして「ガッチは生まれたばかりでこれから成長していく製品。皆様のご助言をいただき、さらに製品を磨き上げていきたい」と前向き姿勢を伺わせた。
従来、合板を切り貼りしてミリ単位で製作していた型枠部材について「ガッチ」は30㎜単位で寸法を規格化することで、現場での生産性の大幅向上を実現させることに成功した。しかも3次元で入隅・出隅に対応でき、ラーメン構造のような複雑な形状でも30㎜モジュールで組み立てが可能となった。
重量も木製型枠より軽く、事前組立も未熟練工や女性でも手軽に作業ができる。素材がFRP製で耐久性が高く、現場間での転用が可能で、転用回数を増やすことで大幅なコスト削減が図れる。
グリーンフロント堺寮新築、花園ラグビー場など、採用実績は既に19件に達し、グリーンフロント堺寮は柱梁に2475㎡を使用。型枠に合わせて構造躯体が設計されており、これは前代未聞のことという。11月には2期工事が始まる。
また現在、三菱電機伊丹第二若菱寮建設工事の上部躯体の柱と壁にガッチを採用、試験使用が進められているという。
パネルにも新しいサイズを追加し、現在、平面パネルのサイズは15種類、コーナー役物は12種類ある。
「金型をつくるのに費用がかかり、同業者が手軽に真似できるものではないが、当社は中国で金型を製作し、コスト低減を図る一方、常に連携に努め、品質向上に努めており、その姿勢も今後も引き続き貫いていきたい」という。
同社は今年8月に新社屋を新設、移転した。建物はS造2階建延540・12㎡、1階駐車場、2階事務室。2階への階段は外階段として、RCの化粧打ち放しで型枠感を出している。机は一人ずつパーテーションで仕切られ、集中して快適に仕事ができるよう工夫されている。
大手ゼネコンも「ガッチ」に関心を示し、見学者が増加傾向にあり、これにあわせ、研修室には「ガッチ」のモックアップも展示されている。
森本会長の祖父が1922年森本工務店を創業。事業の本格拡大を目的に2003年法人化し、㈱フォービルを設立した。所在地は旭区中宮3―14―28。
※写真上=「ガッチ」の開発を手がけた森本会長
写真中=グリーンフロント堺寮の柱梁に「ガッチ」を使用
写真下=8月に完成した本社新社屋