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総合ニュース
2018/05/07
長谷工、ブランシエラ池田石澄が完成 関西初の保留敷地売却の建替
長谷工コーポレーションは、国内で最多となる31件のマンション建替えを推進してきた実績やノウハウを生かし、32 件目となる「石澄住宅」の建替え事業を推進し、このほど「ブランシエラ池田石澄」(池田市)=写真=が完成、販売を開始した。
マンションの建替えにおける自社事業としての「ブランシエラシリーズ」では、首都圏の「ブランシエラ市川行徳」、近畿圏の「ブランシエラ千林大宮」「ブランシエラ山本町南」に続いて4件目となる。今春に棟内モデルルームがオープンした。
同建替え事業は、11年に事業協力者として長谷工コーポレーションが事業参画し、事業推進・設計・施工を行ってきた。また、引渡し時に保留床を長谷工コーポレーションが買取り、その販売を長谷工アーベストが行い、マンション管理を長谷工コミュニティがそれぞれ担当するなど、長谷工グループがトータルプロデュースした。
ブランシエラ池田石澄の概要は、所在地が池田市畑2-5。総戸数128 戸(権利床67戸)、販売戸数61戸、敷地面積8794・53㎡、構造・規模はRC造地上6階建、専有面積58・86~95・32㎡、間取り2LDK~4LDK、価格は2388万円~4498万円。設計施工は長谷工コーポレーション。2月9日に竣工、3月16日から入居を開始。施主(売主)は石澄住宅マンション建替組合(長谷工コーポレーション)、販売提携(代理)は長谷工アーベスト、管理会社は長谷工コミュニティ。
建替え事業の特徴は、全体敷地の約半分を保留敷地として売却を行い、その売却資金をもって建替え資金負担軽減を図るという関西初の保留敷地処分型の建替え事業であり、参加組合員(デベロッパー)不在のため、建替組合自ら金融機関から資金調達を行い事業推進したことである。
これらにより、今後の郊外型団地のモデル事業となることや参加組合員不在であっても建替組合主導で事業推進が可能な実績ができた。このノウハウを生かし今後、あらゆるタイプの建替計画においても、物件ごとに特色のある建替え計画の提案ができるとしている。建替え推進決議以後、一括建替え決議までの間で建替検討委員会開催81回、一括建替え決議後の事業推進会議は100回を超える見込みという。その中で、建替組合の理事の強い意志のもと、コンサルタント(ゼンクリエイト)と長谷工コーポレーションが三位一体となり、諸問題を乗り越えてきた結果、無事に竣工を迎えることができた。
68年に日本住宅公団(現都市再生機構)により分譲された石澄住宅=写真下=は、全9棟184戸の郊外型団地であった。管理組合は、築35 年目にあたる03年、建物の劣化診断をして翌年に住民アンケートを行い、コストがかさむ大規模修繕でなく、先のことを考えて建替えを推進することになった。07年にゼンクリエイトをコンサルタントとして導入、10年には「建替えを主体とした団地再生方針」を決定、石澄住宅建替推進委員会を発足し、翌11年に事業協力者選定コンペで長谷工コーポレーションが選定された。
同建替え事業は、地権者の建替え資金の負担軽減を図るため、航空法による高さ制限がかかっている部分(全体敷地の約半分)を保留敷地(戸建用地)として総合住宅メーカーに売却することにした。
13年12月に建替え決議が可決され、14年3月に「石澄住宅マンション建替組合」が設立された。15年5月に権利変換認可、同年12月下旬には解体工事に着手、17年1月に本体工事が着工した。18年3月にマンション128戸が竣工し、保留敷地には戸建83区画が建設され、総開発面積2・3ha超のプロジェクトとなった。
また同建替え事業敷地に隣接する石澄川沿いの敷地内に22本のソメイヨシノを植樹し、緑道整備で地域に貢献、既存樹のクスノキ1 本と南京ハゼ2 本を中庭に残すなど、地権者の気持ちに寄り添う計画が実現した。結果的には61戸の保留床が発生したが、同社が竣工時に一括購入して分譲を行い、新しいマンションには地権者67世帯が再入居した。
同社は、首都圏で16件、近畿圏で16件、合わせて32件のマンション建替えを事業協力者、設計・施工会社として推進してきた。
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