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総合ニュース
2016/09/01
近畿砕石協組、大阪府砂利協組、骨材の安定供給へ 砕石・砂トン500円値上げ
近畿砕石協同組合(山本和成理事長)と大阪府砂利石材協同組合(奥村剛史理事長)は、10月1日から砕石・砂の価格をトンあたり500円程度の値上げを実施する。
砕石、砂業界は長期にわたる採算の悪化から経営難に陥っている。このままでは砕石や砂利製造の将来見通しが立たないため、現状の骨材提供の仕組みを持続可能にする価格体系の実現を目指して、7月から得意先に値上げの交渉を進めつつある。
両組合では3年前に原油価格の高騰に伴う輸送コストアップ、電気料金の値上げなどを理由に、生コン、アスファルト合材、建設など関係団体に業界の窮状を訴え、トン当たり700円の値上げに踏み切ったものの、実際には200円程度しか値上げできなかった。そこで各々の組合単独で再度値上げを要請したものの、100~200円程度の値上げに留まり、経営改善には程遠い状況にあるという。
山本理事長=写真左=は「人手・後継者不足や運搬船不足など砕石・砂利とも同じ問題を抱えている。このままでは跡継ぎもいなくなり、技術の継承も困難になる。この現状を打破するには値上げするしか道はない。工場渡しの価格だけでなく、流通部分も見直してほしい」と厳しい実情を訴える。
苦肉の人材不足対策として、女性や高齢者活用に取り組んでいるものの、それには職場環境整備など労働条件の向上が求められ、目指していた人材確保策も経営難から頓挫を余儀なくされている。
奥村理事長=写真右=は「現在の価格では安定供給の継続は難しい。昨年から厳しさも増してきた。砕石・砂利事業は運搬船などの輸送手段、プラント設備更新にも大きな設備投資が必要。運搬船が老朽化し、将来的な輸送手段を考えないといけない。値上げというより値戻しである」と語った。
一方、山本理事長も「原石の60%しか製品にならず、残りの40%は山に戻している。しかし経営難から環境整備も適切に行えない事態に直面しつつある。この状態が続くと山は荒れるし、環境負荷が大きなものとなっている。環境面や副産物の処理などの課題解決にも研究開発費など莫大な投資が必要」という。
「重機等のコストアップ、原石山確保・開発、品質向上の研究・開発などの費用増大の実情を知ってもらい、業界が持続可能な価格をお願いしている」と窮状を訴える。
主な得意先である大阪広域生コンクリート協同組合も3協組の大同団結による新体制が5月からスタートし、過当競争に終止符を打とうと、価格の適正化への動きが広がっている。
奥村理事長は「このタイミングを逃してはいけない。大阪広域生コンクリート協同組合とも、きちんと話合いをしながら進めていきたい」とし、当面の乗り切り策だけでなく、未来を見据えた動きも見えてきた。
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