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総合ニュース
2016/08/08
大阪大規模都市水害対策検討会、ガイドライン案中間をとりまとめ
大阪市域における大規模都市水害に備えて検討する「大阪大規模都市水害対策検討会」の第2回検討会が3日に開かれた。洪水・高潮浸水想定や被害想定などが盛り込んだ「大阪大規模都市水害対策ガイドライン案中間とりまとめ」が示された。
冒頭、座長の小林稔近畿地方整備局企画部長は「大阪はゼロ㍍地帯に大規模な都心部があり、大きな被害の可能性が高い。大阪をモデルケースとして、関係者の皆さんと検討をしていきたい」とあいさつした。
洪水の浸水想定として、破堤点は地下街を含む梅田地区に対して浸水被害が最も大きくなる地点として、橋梁の直下流である9・2㌔左岸地点を破堤点に選定した。地下鉄道は大阪市営地下鉄、JR、近鉄、阪神、京阪など14路線、地下街は梅田・心斎橋・難波エリアをモデル化した。浸水解析結果として、破堤1時間後に天神橋筋六丁目駅が浸水し、破堤2時間後には谷町線と堺筋線に浸水が拡大、御堂筋線の中津駅から浸水が開始する。破堤3時間後には地下鉄道からの浸水が梅田地下街に到達し、破堤18時間後にはほぼ浸水最大エリアまで浸水が拡大し、浸水ボリュームは約650万立方㍍となる。
高潮の浸水想定として、大阪湾に接近した台風のうち観測史上最低の中心気圧を記録した第2室戸台風が沖縄付近で有していた勢力を概ね保持したまま大阪湾に接近・上陸するものとして設定した。浸水解析結果は、高潮と津波の浸水想定区域は高潮の方が1000㌶ほど最大浸水面積が大きく、大阪市域における浸水面積は約8450㌶となる。地下鉄道は台風四国上陸17時間後まで浸水エリアが拡大し、浸水ボリュームは約668万立方㍍となる。交通機関等の被害想定は、浸水する駅のみを対象とし、23路線141駅が浸水し、1日当たりの乗降客約450万人に影響を与える。
作業部会では、図上訓練を実施、訓練結果を受けて、危機管理行動計画表(タイムライン)を作成する。16年度末にガイドラインをまとめる。