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建産EYE
2016/02/03
リノベーション事業の現場で活躍する女性たち!女性が活躍する建設業界をめざして(前編)~長谷工リフォーム・ヒューネット~
近年、女性が活躍する職場が広がっており、建設業界においても同様に工事現場など様々な場所で女性の活躍が広がりをみせている。そこで、リノベーション(大規模改修)事業に従事する女性社員の生の声を聞くため、長谷工リフォームで現場所長を務める中嶋恭子氏、昨年入社した現場所員の宇都瑞希氏・小松侑佳氏、および同社の協力会社であるヒューネットの孕石あづさ氏のリノベーション事業で活躍する4名の女性たちに、建設業界を選んだ理由や職場環境などについて話を聞いた。
【建設業界を選択した理由は】
中嶋氏:事務仕事より現場に出て作業をするのが好きで、就職活動中に建設業界の会社を受けたとき楽しそうだと思って選んだ。工事が完成したときの喜びがあると感じている。一級建築士の資格を持っているが、設計の仕事は建物に直接触れないので、事務職的なイメージを持ってた。
宇都氏:建設業界に興味を持ったきっかけは、祖父が建設業界の仕事に携わっていたこと。宮崎県の都城工業高等専門学校高専に入り、入学したときから建設業界への就職は決めていた。学生生活を通じ、現場に出て目に見える仕事をしたいと思い、現場を希望した。
小松氏:大学では設計系の建築学科を選択していた。将来は設計か現場かで迷っていたが、授業で多くの現場を視察するうち、設計だけでは分からないことがたくさんあると感じ、現場を見てみたいという興味が湧いたことから、最終的に現場を選択した。
孕石氏:父親が塗装業の仕事をしていたのが大きなきっかけだった。学生時代には建設業界に興味を持っていなかったが、父親の紹介で入社した会社が偶然に建設関係だった。その後別の会社に移ったが、移った会社も建設業の会社で、これは何かの縁ではないかと感じて、建設業界で生きていこうと決めた。
【建設業界の中でリノベーションを選択した理由は】
中嶋氏:リノベーションの仕事を選んだ理由は、今後、新築物件が減少しリノベーションの時代が来るだと思ったから。また、リノベーションの現場では新築よりも一現場所員が携われる仕事の範囲が多いことも選んだ理由。
宇都氏:マンションの改修だと、そこにお住まいの方がおられ、これからも住み続けるために改修する。居住者の方がそこにずっと住み続けられるために必要なリノベーションに携わっていきたいと思った。
小松氏:マンションなど建物は既に多く存在しており、新築で建てるよりもリノベーションを学びたいと思った。
孕石氏:初めて担当したテナントのリニューアル工事のあと、綺麗になったことを店舗のスタッフに喜んで頂き、円陣を組んで「今日も頑張ろう」と話されている風景を見て感動した。その感動が忘れられず、感動をまた味わいたいと思いながら、リノベーション業界に携わっている。
【男性社会のイメージがある建設業界だが、会社の受入体制はどうか】
中嶋氏:昔気質な職人さんから「女性は寄ってくるな」と言われたこともあるし、逆に居住者の方に女性だからということで指名をされるなど優遇されたこともあるが、あまり性別は関係ないと思う。
宇都氏:女性だからという理由で待遇が変わることはない。会社には女性社員がまだ少ないということもあるのか、周りに丁寧に接してもらい、とても嬉しくやりやすい環境だと思っている。職人さんは、始めは女性だということであまり話し掛けてもらえないが、こちらから話し掛ければ気兼ねなく答えてくれる。居住者の方からは親しく声を掛けて頂けるし、女の子なのに偉いねと褒められることもある。話しやすさに関しては女性に分があると思う。
小松氏:女性だから特別ということはあまり感じたことはない、むしろ自分が女性であることを忘れるくらいに今の職場環境にとけ込んでいる。
孕石氏:営業の立場から言うと、女性だからと優しくしてくれるいい面がある。ただし相手に よっては女性に何が分かるのか、というニュアンスを感じることもある。
【入社してやりがいを感じた時は】
中嶋氏・宇都氏・小松氏:工事の終盤で足場を解体して建物の外観が見えたときに、居住者の方から綺麗になったと褒められるとき。また、施工している自分の目でも綺麗になったと思う瞬間が一番やりがいを感じる。
孕石氏:先ほども話した、以前に携わったテナントのリニューアル工事での感動の印象が大きい。自分たちの住む建物が綺麗になって喜ばない方はいないと思うので、これからもお客様と感動を分かち合いたい。
【入社してから大変だったことは】
中嶋氏:多くの方が住まわれるマンションでの工事なので色々な意見をお持ちの方がいらっしゃり、時には一方的に意見を言われてしまうこともある。その場合は居住者の方の話をしっかり聞き、すぐ現場に向かって状況を確認し、解決に向けて取り組むようにしている。
宇都氏:入社したての頃は、お客様から質問されても分からないことがよくあった。今はずいぶん慣れたが、逆に、一般の方に馴染みのない専門用語はお客様に合わせて分かりやすい言葉に替えて説明している。
小松氏:電話の対応がいまだにとても緊張してしまい苦手だが、素人が応対していると思われないように気を付けている。
孕石氏:電話対応は声だけでは相手の方がどのような心境なのかが判断できないこともあり、クレームなのかご要望なのか対応にとまどうこともある。
~後編に続く~