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総合ニュース
2014/12/03
日本建設業連合会、BCS賞受賞作品見学会
日本建設業連合会は27日、BCS賞の周知を図るとともに、建築の魅力を伝えるため「BCS賞受賞作品見学会」を開催し、今年受賞したヤンマーミュージアムなど3施設を訪れた。参加者は大阪大学、京都大学、滋賀県立大学の大学生・大学院生15名に日本建設業協会技術部会委員等10名の合計25名が参加した。BCS賞は、「優秀な建築物を作り出すためには、デザインだけでなく施工技術も重要であり、建築主、設計者、施工者の三者による理解と協力が必要」という趣旨のもと今回で55回目を迎えた歴史ある賞である。今年度は、全国各地から55件の作品の中から15件(特別賞2件)の作品が受賞された。複合施設や大学、博物館など多彩な用途の作品が選ばれているが、いずれも、デザインや機能の点はもちろん。周辺環境や街並みへの配慮、地域との融合、新しい試みへのチャレンジなどの点も評価された素晴らしい建築作品となっている。
見学会では、まず佐川美術館・佐川美術館樂吉左衛門館を訪れ、山本俊之竹中工務店京都支店作業所長から、美術館の外観や内装の建築概要説明を受けた後、施設内の展示物の説明・見学を行った。その後ヤンマーミュージアムに移動し、ここでは、神藤龍一ヤンマーミュージアム副館長と森本誠清水建設関西事業本部大阪支店工事長から、ミュージアムの設立経緯・目的、建築概要などの説明を受けた後、施設館内の機械の説明や実際に操作体験などを行った。
佐川美術館は00年BCS賞受賞作品で、守山市水保北川に建築された建物である。対岸に比叡山を望む琵琶湖畔に、深い庇をもつ切妻屋根の2棟の建物を広い水底に浮かべた空間構造が印象的である。日本の伝統建築の中に現代の素材・工法などの高い技術力を取り入れることで新しい建築表現を生み出した建物となっている。
佐川美術館樂吉左衛門館は09年BCS賞受賞作品で佐川美術館に増設された別館となる。水面下におりる階段や水の揺らぎをうつす地下ホールにより来場者の期待を促す構造となっている。また、本館との調和や水生植物の資源を新たな形成により創出し、既存の水庭を拡張しており、水面との関係、光の強弱の選定を行い、慎重に吟味された建築物となっている。 ヤンマーミュージアムは14年BCS賞受賞作品で、長浜市三和町に建築された建物である。全面に広がる水盤、ビオトープのある緑の大屋根、ガラスとコンクリートボックスの3つの要素をデザインした環境配慮型の企業ミュージアムであり、また、ヤンマーグループの3つの事業フィールドである「大地」「海洋」「都市」を表現するために、精度を要したS造建方として、屋根・庇や壁・柱の水平精度の品質は重点されており、特にV字柱は全ての部材精度の根幹として扱われ、細かいところにまでこだわっている。そして、長浜市の活性化のため、長浜の特徴である水の景、舟板塀を取り込んだ建物となっている。