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総合ニュース
2020/11/11
阪神高速道路、1号環状線リニューアル工事 RC床版の高性能床版防水を実施
阪神高速道路は、高速道路リニューアルプロジェクトの一環として1号環状線(南行)で終日通行止めによるリニューアル工事を実施している。構造物の長寿命化としてRC床版の高性能床版防水や床版の取り替えなどを行う。
1号環状線は大阪市内中心部に位置し、環状線から放射線状に伸びた各路線を連絡する役割を担う路線であり、1日の利用台数は約25万台(19年度平日平均)にも上る大阪都市圏の道路ネットワークの最重要路線となっている。供用から50年以上経過する中で、車両の大型化や大型車の繰り返し走行負荷の蓄積により、道路橋の床面であるコンクリート床版などで、構造物の損傷が進展しつつある。そこで、2001年以来、3回目となる通行止めによる工事を行う。
1号環状線(梅田から夕陽丘)と接続する12号守口線の一部区間(南森町・扇町付近)においてリニューアル工事を実施している。1号環状線は11月10~20日、12号守口線は11月10~27日にかけて終日通行止めにしている。工区は3工区に分けて行っており、舗装補修工事は世紀東急工業、鹿島道路、大林道路、伸縮継手補修工事はキンキ道路、スバル興業、ケイアールティが担当している。
工事はRC床版の高性能床版防水9万平方㍍、舗装補修9万7000平方㍍、伸縮継手補修203レーン、ジョイントレス対策8レーン、道路標識・看板取替、区画線補修、構造物点検などを行う。延作業人数は約1万2000人、作業登録台数約6000台。今回工事区間の補修率は97%となる。
リニューアル工事では、床版のひび割れへの浸透性の高い1次防水層(高浸透型防水材)と2 次防水層(アスファルト加熱型塗膜系防水材)を組み合わせた高性能床版防水を実施する。これにより、ひび割れを1次防水層で閉塞し、万が一、その上の2次防水層が損傷した場合も、床版への雨水の進入を抑制するため、コンクリート床版の長寿命化を図ることが期待できる。環状線の通行止め区間における舗装を全面的に打ち換える。橋梁のつなぎ目である伸縮継手(ジョイント)を耐久性が高い新しいものに取り替える。
12号守口南森町・扇町付近のコンクリート床版では、水平方向のひび割れやコンクリートの砂利化といった深刻な損傷が局所的に進展している。損傷の進展が確認された床版を超高強度繊維補強コンクリート(UFC)床版に取り替える。超高強度繊維補強コンクリートは、コンクリートにスチールファイバーを混入した複合材料であり、高強度かつ高耐久性で、これを道路橋の床版に利用することで、従前より薄型・軽量かつ疲労耐久性の高い床版となる。工事の実施にあたっては、道路の下からの施工が可能な作業を通行止め期間前に済ませておくことで通行止め期間の大幅な短縮化を図り、計17日間の通行止めによって床版の取り替えを完了させる予定。